長引く咳
咳はなぜでるのか(咳のメカニズム)
咳は本来、空気の通り道に溜まった異物(ウイルスや細菌、ほこり)や肺にたまった痰(たん)などを外に出すための体の防御反応です。しかし風邪やインフルエンザといった感染症が原因で気管支に炎症が起きると、普段の状態であれば反応しない程度の弱い刺激でも咳が発生します。
感染症が原因の場合、病気の快復とともに症状自体も治まりますが、数週間~数ヶ月にわたって咳が続くケースがあります。それは慢性的な気管の炎症により、ずっと刺激に敏感な状態が続いていることが原因です。
普段の状態であれば反応しない程度の弱いほこりやたばこの煙、排気ガスやストレスなどによって引き起こされます。咳や痰がでるほか、呼吸がしづらい症状が発生することもあるため、注意が必要です。早期改善のためにも、早めに医療機関を受診し適切な診断と治療を受けましょう。
長引く咳のセルフチェック
以下のような症状が続く場合は、風邪以外の原因かもしれません。
咳が長引いていて、1つでも当てはまる・気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
- 天気や気温によって咳がひどくなる
- 夜間~朝方に咳がひどくなる
- 冷たい空気を吸うと咳がひどくなる
- 長く会話をすると咳がでる
- 咳が出始めるとなかなか止まらない
- タバコの煙を吸うと咳がでる
- 緊張すると咳がでる
- 軽い運動をしただけで咳がでる
長引く咳の原因と治療
長引く咳の判断として、「2週間以上続いているか」を判断基準としてください。
2週間以上長引く咳の原因と考えられる病気には大きく次の4つが挙げられます。
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感染後咳嗽
感染症(風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス)に感染した後、「熱やのどの痛みなどの症状は治ったものの、咳だけが続いている」という症状の咳を指します。 痰が絡まない乾いた咳が続き、夜間から早朝にかけて特にひどくなることが特徴です。 気管が炎症を起こしたままで、少しの刺激で咳が誘発されやすくなっています。 治療を特にしなくても改善してきますが、症状がひどい場合は咳どめ薬を処方することもあります。 -
咳喘息(ぜんそく)
咳喘息は、気管支喘息の一歩手前の状態です。気管支喘息と違い、喘鳴(呼吸をするときにヒューヒュー・ゼーゼー音がする)は見られず、咳だけがでます。「風邪を引くたびに咳が長引く」という方は、咳喘息の可能性が高いです。のどのイガイガ感や締め付け感が特徴です。 治療は吸入ステロイド薬が中心となります。咳喘息は、放っておくと気管支喘息に移行する可能性が上がります。気管支喘息になると完全に治ることは難しく、ほとんどの方は治療を長期間続けることになります。 -
アトピー咳
のどのかゆみ、痰が絡まない咳が主な症状です。アレルギー性鼻炎、アトピー皮膚炎などのアレルギー疾患を持っている方に生じやすい病気です。 咳喘息と同じくアレルギーに関係した病気であり、症状も似ていますが、咳喘息と違い気管支喘息に移行することはほとんどありません。このため、咳が収まれば治療を終了できます。治療は、アレルギーを抑えるお薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)が中心で、必要に応じて吸入ステロイドを使用します。 -
気管支拡張症
気管支拡張症とは、何らかの原因で気管支が異常に広がり、その状態が元に戻らなくなる疾患です。拡張した気管支には細菌やカビが繁殖しやすくなり、これが繰り返されることで慢性的な炎症が続きます。この病気の主な症状には、長く続く咳とともに濃い粘性の痰が出ることが特徴です。また、しばしば副鼻腔炎を合併しているケースも多いとされています。
症状が軽度の場合は経過観察とされることもありますが、症状の改善を目的として、痰を出しやすくする薬や、吸入器(ネブライザー)、体の向きを工夫して痰を排出しやすくする呼吸リハビリテーションなどの治療が行われることがあります。
咳は長引くことで体力を消耗させ、昼夜を問わず咳が続きます。その結果、睡眠不足や免疫力の低下に繋がります。 免疫力が低下すると、更に咳が長引くことになります。 2週間以上の長引く咳にお悩みの方は、早めに当院に受診するようにしてください。
●長引く咳の検査
当院では長引く咳の原因を調べる検査として
- 胸部CT
- スパイロメーター(呼吸機能検査)
- 血液検査
を実施しています。 胸部CTでは、肺の異常の有無を確認し、呼吸機能検査では、スパイロメーターという機械を用いて喘息など咳の原因の有無を検査します。 血液検査では、アレルギー反応による症状の可能性について検査します。