いびき、睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に10秒以上の無呼吸または低呼吸が繰り返される病態の総称です。この状態は日中の強い眠気などを招き、日常生活に支障を来すだけでなく、交通事故のリスクにもつながります。
SASは大きく3つのタイプに分類されます。
- 閉塞型(OSAS): 睡眠中に上気道が閉塞することで生じる、最も頻度の高いタイプです。
- 中枢型(CSAS): 呼吸中枢の機能異常により、呼吸筋への刺激が途絶えて呼吸が停止します。
- 混合型(MSAS): 閉塞型と中枢型の両方の特徴を併せ持ちます。
また最近では、高血圧や心房細動などの不整脈、循環器疾患との深い関係が明らかになっています。
睡眠時無呼吸症候群の
セルフチェック
ご自身またはご家族が以下の項目に該当するか確認してください。3つ以上該当すれば、SASの可能性は非常に高い(70%以上)とされています。
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睡眠中
• 大きないびきをかく、あるいはいびきが止まった直後にあえぐような呼吸をする。
• 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある。
• 夜間に何度も目が覚める(中途覚醒)。 -
起床時
• 起床時に頭痛や頭重感がある。
• 口が渇く。
• 熟睡感が欠如し、体が重く感じる。 -
日中
• 強い日中の眠気や疲労感がある。
• 集中力が低下し、仕事でのミスや運転時の危険を感じる。
睡眠時無呼吸症候群の症状
主な症状として、いびき・無呼吸・日中の眠気のほか、夜間頻尿、日中の倦怠感・集中力低下が挙げられます。加えて、夜間の胸部圧迫感や胸焼けを感じることもあります。
放置すると、以下のような深刻な合併症を招くリスクがあります。
- 高血圧、2型糖尿病
- 心筋梗塞、脳梗塞、脳出血
- 逆流性食道炎
統計によれば、重症SASを治療せず放置した場合、8年後の生存率が約63%へ低下するという報告もあります。
睡眠時無呼吸症候群の検査
検査はまず問診から始まり、必要に応じて段階的に進められます。
- 1. 簡易睡眠検査(スクリーニング検査): 自宅でセンサーを装着し、鼻の気流・いびき・血中酸素量などを測定します。
- 2. ポリソムノグラフィー検査(PSG): 簡易検査でSASの疑いがある場合に実施する精密検査です。 脳波・心電図・呼吸・筋電図などを詳しく記録し、睡眠の状態と重症度を正確に判定します。医療機関への1泊入院、または自宅での検査が可能です。
重症度は、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数を示す AH I(無呼吸低呼吸指数)で表されます。
睡眠時無呼吸症候群の治療
患者様の病状や原因に応じて、最適な治療法を選択します。
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法): マスクを用い、気道に圧力をかけた空気を送ることで閉塞を防ぐ、SAS治療の第一選択です。日本では、PSG検査で「AHIが20以上」、または簡易検査で「AHIが40以上」の場合に保険適用となります。
- 口腔内装置(マウスピース): 下顎を前方へ固定し、気道を確保します。
- 生活習慣の改善: 減量・禁煙・飲酒の制限・横向きでの就寝指導などを行います。高度肥満の方には外科的な減量手術が検討されることがあります。
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手術療法: 扁桃肥大などの原因がある場合、手術が検討されることがあります。
(提携病院へのご紹介をさせていただきます。)
治療を行うことで、いびきや眠気の解消だけでなく、生活習慣病の予防や健康寿命の延長が期待できます。
受診のご案内
セルフチェックを試した結果、3つ以上該当している方、または3つ未満ではあるものの不安に感じている方は、柊なごや呼吸器クリニックへ一度ご相談ください。当院では簡易検査はもちろん、PSG検査もご自宅で検査実施が可能です。